記事一覧
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石城謙吉
ヒグマ数理学――『たぬきの冬』試し読み④
厳寒期の二月のある朝のことであった。私は玄関の戸を叩いて大声で怒鳴る声に、目を覚まされた。道北にある中川演習林にいた頃のことである。「オーイ。大将、大将は... -
尾上哲治
世界露頭紀行:「オリエント急行の殺人」仮説――カナダ・ウィリストン湖#2
初夏になるとウィリストン湖に現れるブラックベアリッジの露頭を調べると、まず三畳紀末に寒冷化したことを示す不整合が見つかった(前回#1)。 黒色頁岩が語ること 不... -
尾上哲治
世界露頭紀行:「オリエント急行の殺人」仮説――カナダ・ウィリストン湖#1
大量絶滅の記録が眠るウィリストン湖の風景 地球では、かつて5回の大量絶滅が起こった。最近の研究によると、そのうち少なくとも2回は、大規模な火成活動(火山に関連す... -
栗秋正寿
冒険家の反省ノート⑦防寒ウェア――世界初フォレイカー冬季単独登頂・番外編
反省ノート⑦防寒ウェア 冬のフォレイカー単独登頂に4度目の挑戦で成功したものの、その直後にヒヤリとする経験をした。天気を読み間違えて最終キャンプにたどり着けず... -
栗秋正寿
冒険家の反省ノート⑥睡眠――世界初フォレイカー冬季単独登頂・番外編
反省ノート⑥睡眠 「マットレスの説明書きを変えさせたのは、おそらくあなたですね」 極地遠征や登山装備のスペシャリストである越谷英雄さんに、自動膨張式マットの... -
栗秋正寿
冒険家の反省ノート⑤雪洞――世界初フォレイカー冬季単独登頂・番外編
反省ノート⑤雪洞 冬のアラスカ山脈では、新幹線なみの時速300キロもの突風が吹くこともある。そこでの登山は、まさに「烈風との闘い」だ。けれども風という相手が圧倒... -
石城謙吉
【全文公開】心のカワウソ――『たぬきの冬』試し読み③
北海道のどこそこにカワウソが現われた、という話はなかなかあとを絶たない。違うらしいということになり、人々が忘れかけたころになるとまた、カワウソ出現か、とい... -
尾上哲治
世界露頭紀行:雨の時代――イタリア・ドロミティ#3
雨の時代――イタリア・ドロミティ#3 高温・乾燥気候で海水がどんどん蒸発していた時代の浅い海に、なぜ陸から大量の土砂が流れ混んでいたのか(前回#2)。 1987年、この... -
石城謙吉
鳥のなかのサル――『たぬきの冬』試し読み②
北海道の秋の山野を歩いていると、よくカケスに出合う。その名前を知らなくとも山歩きの好きな人であれば、ハトほどの大きさでやや尾の長い、茶と黒とルリ色の鮮やか... -
尾上哲治
世界露頭紀行:雨の時代――イタリア・ドロミティ#2
雨の時代――イタリア・ドロミティ#2 前回の記事では、ロープウェイで「ドロミティのテラス」を訪れた。ここから整備されたトレイルを歩いて、ピズ・ボエ山の山頂を目指し...